ゲーム専門学校に通ってゲームクリエイターになったhamuwoです。
悪い噂の絶えないゲーム専門学校ですが、通うメリットはあるのでしょうか?どんなデメリットがあるのかもしっかり知ってから進学を検討したいですよね。


これらの噂は間違いではありませんが、全ての学生がそうというわけではありません!
ちゃんとゲーム専門学校のメリットを活かして、ゲーム業界に就職する人もいるのです。


実際にゲーム専門学校に通って分かるメリットはいくつもあります。
今回は、悪い噂に隠れがちなゲーム専門学校のメリットとデメリットを徹底的に解説していきます!
目次
ゲーム専門学校のメリット
まずはゲーム専門学校のメリットについて解説していきます!
ゲーム専門学校のメリット
- 頑張れない自分を環境が動かしてくれる
- クリエイター同士の付き合い方を覚えられる
- 就職後も刺激し合える友達ができる
- ゲームクリエイターになる方法を提示してくれる
- ゲーム業界とのパイプが多い
1.頑張れない自分を環境が動かしてくれる。


授業中に遊んでいる人がいるような環境ですが、そんな中でも努力している人はいます。
そういった人たちと、技術の相談をし合ったり、チームを組んでゲームを作ったりしていると、「自分も頑張らないと!」という気持ちになります。
わたしも専門学校を出ていますが、独学だったら絶対にモチベーションが続かず、就職は無理だったでしょう。
「努力してるやつなんていないよ」という極端な環境にならないように、卒業生の作品などを見て、入学先はじっくり検討しましょう。
2.クリエイター同士の付き合い方を覚えられる。


ゲーム会社に就職する以上、1人でゲームを完成させることはまずないです。
よほど小さいプロジェクトでない限り、チームとして同職種や他職種の方がいる状況で作業します。

ゲームクリエーターという言葉の中には、ゲームプログラマー、ゲームプランナー、ゲームデザイナーなどが含まれていますが、みなさん超職人気質です。(笑)
コードの書き方、仕様書のまとめ方、求める指示書の密度や言われて腹の立つことなど、同じ職種であっても全員違います。
たとえば、何も考えずに自分のやりたいようにやるとこんな風に言われます。
プログラマー
- 「この糞みたいなコード書いたの誰?」
- 「決めた規則通りに命名しろよ!」
- 「ここは改行だろ!気持ち悪い!」
プランナー
- 「で?このゲーム何が面白いの?」
- 「ゲームで遊ぶのが仕事なんでしょ?(笑)」
- 「企画書、仕様書、指示書、リソース管理、マスタ作成、外部会社との連携、後から入れたくなった仕様の交渉、ときどきスケジュール管理。早くやれ!」
デザイナー
- 「何このクオリティ?こんなんで出せるわけないだろ!」
- 「作ったものを勝手に改変するんじゃねえ!」
- 「できたものに文句言うなら、ちゃんとした指示書・仕様書作れ!適当な指示出してんじゃねえ!」

独学で勉強してゲーム会社に入社した場合、こういった場面に突然直面することになります。
対応できなくもないでしょうが、200%つらいです。
ゲーム専門学校では、チーム制作などをすることによって「他の人がどうやって作っているか?」「他の職種が求める内容はどういったレベルのものか?」を理解することができます。

過酷さと比例してメンバーの沸点も低くなるので、事前に職業柄を理解したコミュニケーション能力を養っておくと、200%のつらさが100%に変わります。(笑)
3.就職後も刺激し合える友達ができる。
卒業後に飲み会で「転職したい」と不満を愚痴ったら、「今うちで募集してるんだよね」「へえ〜、じゃあ人事に聞いてみるわ」と助けになってくれることがあります。
また、「俺、某有名ゲーム会社に転職したぞ。」「言えないけど新規プロジェクトに入ったわ。俺がディレクターね。」といった自慢もよく聞きます。(笑)

こういった就職後も刺激し合える友達を作れるのは、ゲーム専門学校ならではです!
余談ですが、就職先でできる友達(?)との関係を維持するのは難しいです。
仕事の愚痴や転職の話などをしてしまい、プロジェクトメンバーや上司にバラされてしまったら立場が悪くなるので、どうしても心を開ききれないです。
一緒に遊ぶことはできますが、ゲーム業界は転職が多いので、自分や相手がいなくなるとすぐ疎遠になってしまいますね。(わたしだけかもですが。笑)
4.ゲームクリエイターになる方法を提示してくれる。
何も考えていないようですが、これは間違いではないです。
実際にゲーム専門学校からゲーム業界へ就職する人は何人もいますし、ゲーム専門学校は色々なことを教えてくれます。
ゲーム専門学校が教えてくれること一例
- どんな技術を身につければいいか?
- どんなものを作ればいいか?
- 毎日の作業はどれぐらいやればいいか?(感覚をつかめる)
- ゲーム会社にどうやってアピールするか?
- どんな会社を就職先としていいのか?

また、ネットで見た情報をもとに独学で頑張るより、実績のある専門学校の方がよほど信用できるかと思います。
ですが、ゲーム専門学校に通っているからと言って、自分で何も考えずに努力だけすればいい訳ではありません。
情報を聞いた上で、指示通りに作れる量産型クリエイターにならないための方法を考えたり、目的の会社に就職するためにゲームの方向性を変えたりと工夫するのです。
そこまでできて、ゲーム専門学校で得られた情報を活用していると言えますね!
5.ゲーム業界とのパイプが多い


「パイプ」とはこのようなものを指します。
業界に就職するためのパイプ
- ゲーム業界の求人が多い
- ゲーム会社にインターンに行ける
- 業界人が就職作品を見に来てくれる
- ゲーム会社の説明会を学校で行ってくれる
- 現役の外部講師が授業を行ってくれる
- 就職希望先で活躍する先輩がいると就職しやすくなる
- 卒業後も同級生から転職の誘いがある
簡単に上げるだけでも、ゲーム専門学校にはこれだけの特典があります。
もちろん大学であるものもありますが、業界に特化しているのは専門学校のみです。
「そもそもゲーム業界以外の就職先を考えていない」という方にはおすすめできる環境です。
ゲーム専門学校のデメリット
続いてゲーム専門学校のデメリットをまとめます。
ゲーム専門学校のデメリット
- 学費が高い
- 必要のない授業がある
- 肉体と精神が死ぬ
- 女性はほぼいない
1.学費が高い


ゲーム専門学校で1年間にかかる費用は、大体110万〜150万円ほどです。
私立大学は年間100万円が平均とされているので、若干高くなります。
これは年間費用なので、2年制の専門学校などだと最終的には大学よりも安くなります。
もちろん「学校に通うのでそれぐらいの学費はかかるだろう」と入学前は思いがちですが、重要なのは就職までしたあとに、それだけ払う価値があったかどうかです。
最終的にどんなスキルを身に着けたか?どんな会社に就職したか?が重要ですが、ぶっちゃけこれらは個人の努力が大きいです。
ゲーム専門学校では、特別な開発環境が整っていたりすることもありますが、学校内の授業は最低限ですし、周りで遊んでいる学生もいたりします。

ですが、「独学で頑張れるのか?」という不安と「大学より業界に就職しやすい」という2点を考えると、それほど悪い選択肢ではないと思います。
わたしは奨学金で数百万の借金ができましたが、毎日楽しく仕事ができているので、断然通ってよかったと思っています。
2.必要のない授業


ゲーム業界就職に資格は必要ありません。(詳しくはこちらを参照下さい)
-
【誤解】ゲームクリエイターに必要な資格なんてない!現役クリエイターが解説!
続きを見る
必要のない資格の授業を受けさせるのには理由があります。
ゲーム業界に就職できなかった学生の就職率を保ったり、資格を取得した学生がいるとアピールする材料になるからです。
良く言えば「保険」、悪く言えば「無意味」ですね。
ですが、無意味と思っていても将来役に立つ授業もあります。
たとえば、コンシューマ(TV)ゲームが作りたいのに、スマホゲームの授業を受けさせられたりします。
その結果、コンシューマゲーム企業に就職できず、スマホゲーム企業に就職するというのはよくある話でした。
スマホとはいえ、業界就職です。
一旦そこで頑張って、「コンシューマゲーム制作会社への転職してやろう」と機会を伺っている人は結構多いですね。
そういった「保険」が適用されてキャリアの足がかりに出来たりもするので、一概に全ての授業が「無意味」という訳ではないようです。
3.肉体と精神が死ぬ


まず、狂気的に楽しんでゲームが作れないと、ゲーム専門学校やゲームクリエイターはつらいです。
ゲーム専門学校のつらい点
- 授業が終わっても夜中まで制作
- 休日も朝から晩まで制作
- スケジュールに追われれば徹夜で制作
- 心に余裕がなくなってメンバーと喧嘩しても制作
- メンバーが来なくなっても代わりに制作


ゲーム専門学校では、同じ目的を目指す人が集まって、隣で黙々と頑張っているのです。
そんな姿を見たらもうやるしかない!自然と心と体が動きます。
やがて、メンバーとの衝突や心と体がすり切れても、作り上げる力が身につきます。
根性論ではありますが、就職しても制作の終盤には早朝出社・終電退社・寝泊まりなど過酷になりがちです。
「そんなの余裕だわ(笑)」と思えるぐらいの余裕を専門学校で養っていると、就職後の気持ちはとても楽です。
4.女性はほぼいない


残念ながら、ゲーム専門学校はほぼ男子校です。
デザイン系の学科だと少し女性はいますが、プログラマーやプランナーはほぼ0人と言ってもいいほどいません。
なので、同性愛に目覚める人も、ごく少数ですがいます。


女性からすると選び放題ではありますが、もともとインドアな人間が多いので、ルックスに気を使っている人は少ないですし、衛生面に問題がある人も多くいます。(笑)
恋愛に疎い男性も多く、ちょっとしたことで好きになってしまったりするので、ハッキリ言って超面倒くさいです。
それでも「逆ハーレム万歳!」という方には良いかもしれませんが、ゲームクリエイターになるという目的を見失わないようにしたいですね。
メリット・デメリット両方になる要素
ここまでゲーム専門学校のメリットとデメリットについてご紹介しましたが、ゲーム専門学校という環境は両極端です。
メリット・デメリットどちらにもなる要素というものも存在します。
メリット・デメリット両方になる要素
- ゲーム好きが多い
- 授業は最低限
- 進路変更はほぼできない
1.ゲーム好きが多い

全員が共通の趣味を持っているので、話題・遊び・コミュニケーションはすべてゲーム。
マルチプレイには困りませんし、ゲーセン仲間を作ることも楽々。最高に遊べる環境が整うのです。
そんな環境で遊んでしまう人がいるのは事実ですが、「そもそもゲームクリエイターを目指してゲーム専門学校に来ている」という部分を崩さずに保っている人もいます。
そういった人達は「〇〇のゲームのここが凄い」「〇〇みたいなシステムと画面構成で…」というように有益な情報を共有して、ゲーム好きを制作に活かすことができるようになります。
趣味を共有できるというのは楽しい環境ですが、ゲームクリエイターになるという当初の目的を見失わないようにしたいですね。
2.授業は最低限

ゲーム業界に就職する学生は、その自由時間を企画・開発に使います。
ゲーム業界に就職できない学生は、授業内容に不満を垂れ流してゲームで遊んでいるのです。
最低限ゲームが作れるレベルの授業と言いましたが、授業に問題はありません。
なぜなら、ゲーム業界は希望者が多い仕事であり、業界が欲しがるのは量産型のクリエイターではなく、その中から制作意欲が飛び抜けて努力している人だからです。
ゲーム専門学校に、学生の制作意欲を向上させるような魔法はありません。
どういった物を作りたいかを自分で決めて、自分で調べて作っていく能力がなければ、そもそもクリエイターは無理です。
3.進路変更はほぼできない

最初に「ゲームクリエイターになりたい!」と思って入学したら、ゲームクリエイターになるかならないかの2択しかありません。
学校次第では、IT業界やプログラマー・プランナーなどの職種変更は可能だったりしますが、専門学校は就職を目指す学校です。
入ってしまえば就職する以外の道は、中退以外ありません。
「背水の陣で努力するしか無い!」と頑張り続ける人もいれば、「努力したけどダメだったよ…」とダラダラと学生生活を送る人もいますね。