ゲーム専門学校に通ってクリエイターになったhamuwoです。
ゲーム専門学校というと「闇」だとか「遊んでばっかり」など悪いイメージが多いですよね。


「入学しても学生は遊んでばっかり。」
「学費が高い割に全然教えてくれない。」
など、色んな情報がネットにあふれています。
しかし、それは本当なのでしょうか?

在学中に体験入学のスタッフなどもやっていたことがあるので、華の部分と裏の部分、両方を知っています。
そんなわたしが、ゲーム専門学校の闇とは何かを解説していきます!
目次
ゲーム専門学校の闇

ゲーム専門学校の闇
- 世界一ゲームで遊びやすい環境
- 業界就職できるのは良くて7割
- 業界就職に必要ない授業
- 徹夜も当たり前の環境
- 学生は業界就職者とクズに分かれる

それは、これらの闇が広がる理由があるからです。詳しくは闇が広がる理由の項目で解説します。
まずは、それぞれの闇について解説していきます!
1.世界一ゲームで遊びやすい環境


そもそも、ゲーム専門学校に来る学生は、ゲームで遊ぶのが好きで入学してきます。
共通の趣味を持った学生が集まるのは良いのですが、中毒性のあるゲームというのが問題です。
マルチプレイの相手には困りませんし、一緒にゲームセンターに行くことなんて簡単にできます。
ゲームを作るために入学したはずなのに、「周りがやっているから」「周りが誘うから」と言って、足を引っ張られやすい環境でもあります。

2.業界就職できるのは良くて7割


中には「ゲーム業界に就職できるのは2割だ」という情報もありますが、全然おかしくないです。
学生や教師など色んな状況によって変わりますが、これだけ差が出るのはゲーム業界の競争率が高いことも原因の1つです。
子供の頃からゲームが側にあった世代が高校生になって、ゲームに関わる仕事をしたい!と思う人が増えてきています。

3.業界就職に必要ない授業


たとえば、IT検定の授業などがありますが、これらはゲーム業界就職には役立ちません。
これは「就職率」と「検定合格者数」という2つの数字を出すための授業です。
ゲーム業界に就職できなかったときにIT業界へ就職させて就職率を上げる方法であり、検定を取得することがステータスになると思っている学生にアピールする材料になります。
そもそも検定の知識を持っていたからと言って、ゲームが作れるようにはならないです。

それよりも、制作物の内容と制作したときの話をするので、どれだけ考えて作ってきたか?が重要です。
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4.徹夜も当たり前の環境


これはゲーム専門学校が…というより、ゲーム業界自体のあるあるです。
(※最近は世間も厳しいので帰るところも多い)
どんな仕事であっても、納期になって「間に合いませんでしたー」では済みませんが、ゲーム制作は職種間で流れのある仕事です。
企画や制作の都合で、どうしても後工程の職種にシワ寄せが来て、終盤にキャパオーバーはよくある話です。(特にプログラマー)
5.学生は業界就職者とクズに分かれる


ゲーム専門学校は入学金さえ払えば誰でも入れるので、入学時点でピンからキリまで学生がいます。

しかし、ここからどれだけ努力できるかで天と地の差が生まれます。
遊びの誘惑に負けず、真剣に取り組んでいる人は業界就職を勝ち取り、遊んでいる人は高額な学費を払って、就きたくもない仕事に就いていくのです。
ゲーム専門学校に広がる闇の理由


個人努力の一例
- 平日休日関係なく毎日朝から晩までゲーム制作。自由時間は無い。
- 家に帰っても企画案を考えて、1日3案ほどの草案をまとめる。
- 寝不足は制作意欲とエナジードリンクで補う。
「しんどい!」と思う方が大半だと思います。
ですが、ゲーム専門学校に入ればゲーム業界に就職できる訳ではありません。
ゲームクリエイターなんて超人気の職業です。
「根性論だ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実際に通ってゲームクリエイターになった身から言わせて頂くと、

辛さよりも制作意欲が勝る人は手を動かし続け、ゲーム業界就職を勝ち取ります。
そして、頑張れなかった人が闇生み出して業界外へ消えていくのです。
ゲーム専門学校に通うメリット
ここまで呼んで下さった方は、


と思った方がほとんどですよね。(笑)

ゲーム専門学校には悪い部分だけではなく、メリットもあるのでご紹介します。
ゲーム専門学校に通うメリット
- 頑張れない自分を環境が動かしてくれる。
- クリエイター同士の付き合い方を覚えられる。
- 就職後も刺激し合える友達ができる。
- ゲームクリエイターになる方法を提示してくれる。
1.頑張れない自分を環境が動かしてくれる。
授業中に遊んでいる人がいるような環境ですが、そんな中でも努力している人はいます。
そういった人たちと、技術の相談をし合ったり、チームを組んでゲームを作ったりしていると、「自分も頑張らないと!」という気持ちになります。
「努力してるやつなんていないよ」という極端な環境にならないように、卒業生の作品などを見て、入学先はじっくり検討しましょう。
体験入学は入学希望者が楽しく感じるように、面倒くさい部分を取っ払ってカリキュラムが制作されています。
その面倒くさいところも行った学生が、どれぐらい作れるのかが重要です。
卒業作品などを見れるなら、行ってみてもいいかもしれませんね。
2.クリエイター同士の付き合い方を覚えられる。
ゲーム会社に就職する以上、1人でゲームを完成させることはまずないです。
よほど小さいプロジェクトでない限り、チームとして同職種や他職種の方がいる状況で作業します。

ゲームクリエーターという言葉の中には、ゲームプログラマー、ゲームプランナー、ゲームデザイナーなどが含まれていますが、みなさん超職人気質です。(笑)
コードの書き方、仕様書のまとめ方、求める指示書の密度や言われて腹の立つことなど、同じ職種であっても全員違います。
たとえば、何も考えずに自分のやりたいようにやるとこんな風に言われます。
プログラマー
- 「この糞みたいなコード書いたの誰?」
- 「決めた規則通りに命名しろよ!」
- 「ここは改行だろ!気持ち悪い!」
- 「こんな薄い仕様書で作れるわけないだろ!書き直せ!」
プランナー
- 「で?このゲーム何が面白いの?」
- 「ゲームで遊ぶのが仕事なんでしょ?(笑)」
- 「企画書、仕様書、指示書、リソース管理、マスタ作成、外部会社との連携、後から入れたくなった仕様の交渉、ときどきスケジュール管理。早くやれ!」
デザイナー
- 「何このクオリティ?こんなんで出せるわけないだろ!」
- 「作ったものを勝手に改変するんじゃねえ!」
- 「できたものに文句言うなら、ちゃんとした指示書・仕様書作れ!適当な指示出してんじゃねえ!」

独学で勉強してゲーム会社に入社した場合、こういった場面に突然直面することになります。
対応できなくもないでしょうが、200%つらいです。
ゲーム専門学校では、チーム制作などをすることによって「他の人がどうやって作っているか?」「他の職種が求める内容はどういったレベルのものか?」を理解することができます。

過酷さと比例してメンバーの沸点も低くなるので、事前に職業柄を理解したコミュニケーション能力を養っておくと、200%のつらさが100%に変わります。(笑)
3.就職後も刺激し合える友達ができる。
卒業後に飲み会で「転職したい」と不満を愚痴ったら、「今うちで募集してるんだよね」「へえ〜、じゃあ人事に聞いてみるわ」と助けになってくれることがあります。
また、「俺、某有名ゲーム会社に転職したぞ。」「言えないけど新規プロジェクトに入ったわ。俺がディレクターね。」といった自慢もよく聞きます。(笑)

こういった就職後も刺激し合える友達を作れるのは、ゲーム専門学校ならではです!
余談ですが、就職先でできる友達(?)との関係を維持するのは難しいです。
仕事の愚痴や転職の話などをしてしまい、プロジェクトメンバーや上司にバラされてしまったら立場が悪くなるので、どうしても心を開ききれないです。
一緒に遊ぶことはできますが、ゲーム業界は転職が多いので、自分や相手がいなくなるとすぐ疎遠になってしまいますね。(わたしだけかもですが。笑)
4.ゲームクリエイターになる方法を提示してくれる。
Q:ゲームクリエイターになるためにはどうすればいい?
A:ゲーム専門学校へ行って頑張る!

それに、ゲーム専門学校は色々なことを教えてくれます。
ゲーム専門学校が教えてくれること一例
- どんな技術を身につければいいか?
- どんなものを作ればいいか?
- 毎日の作業はどれぐらいやればいいか?(感覚をつかめる)
- ゲーム会社にどうやってアピールするか?
- どんな会社を就職先としていいのか?

ただし、ゲーム専門学校に通っているからと言って、自分で何も考えずに努力だけすればいい訳ではありません。
情報を聞いた上で、指示通りに作れるだけの量産型にならないためにどうすべきかを考えたり、目的の会社に就職するためにゲームの方向性を変えたりと工夫するのです。
そこまでできて、ゲーム専門学校で得られた情報を活用していると言えますね!
ゲーム専門学校へ入学していいのか?


という方は、入学前に超簡単なゲームを作ってみるのがおすすめです。

おっしゃる通りですが、ゲーム制作の導入は昔と比べて、とても簡単になりました。

もちろんこれはチュートリアルなので、誰でも作ることができますし、プログラミングを理解することもできません。
ですが、完成した後に「もっと他のゲームを作ってみたい!」「アレンジしてみたい!どうしたら良いのか調べてみよう!」と思えるようなら、ゲームクリエイターのセンスがあります。

ゲーム開発の技術は日々進歩しています。
毎年のように勉強会や技術共有会が開催されていて、第一線で活躍するクリエイターは、情報を取り入れて技術に変えたり新しいアイデアを考えます。
そこに食らいついていける2つの欲求はとても大切になります。
また、知識欲と制作意欲は、ゲーム専門学校に通う上でも大切なものです。
分からないことがあれば、周りの人や先生に聞いたり、他の人よりもっとすごいゲームを作りたいという気持ちが、自分の成長に結びつきます。
そういった欲があってこそ、ゲーム専門学校へ通う意味があるものです。
ゲーム専門学校へ通った感想
最後に「ゲーム専門学校へ通ってどうだったか?」という疑問に答えたいと思います。

わたしは奨学金を借りていたので、卒業後に数100万の借金ができました。
しかし、そんなことは二の次です。
こんな生活を手に入れて、毎日楽しく過ごしているので、通ってよかったと感じますね!
大学のゲームサークルに通ったりする方法もあったかもしれませんが、他の授業が退屈すぎてやってられなかったでしょうし、独学もわたしには続かず無理だったでしょう。
ゲーム専門学校で遊び呆けるのはダメですが、ゲーム好きが集まっているというのはとても楽しい環境です。
めぐり合わせが良ければ、卒業後も一緒に頑張っていける友達を作ることも可能です。

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