こんにちはhamuwoです。
「ゲームクリエイターになるために必要な資格ってあるの?」という方に向けて、実際にゲームクリエイター(プログラマー・プランナー)になったわたしが解説します。
最初にはっきりとお伝えします。

わたしはゲーム専門学校卒ですが、資格を持っていなくても大手ゲーム会社に就職した同期がいますし、大手でなくてもゲーム会社に入社してクリエイターになる人はいくらでもいます。
では、「なぜゲームクリエイターに必要な資格なんてないと言えるのか?」「なぜ資格を持っていなくてもゲームクリエイターになれるのか?」を解説していきます。
※この記事での「ゲームクリエイター」とは、「ゲーム会社に就職してゲームを作る人」のことを指します。
目次
ゲームクリエイターに必要な資格はない
ゲームクリエイターに必要な資格がないというのには、いくつか理由があります。
ゲームクリエイターに資格が必要ない理由
- ゲームクリエイターになるための資格がない
- 資格より制作スキルが重要視される
- 制作スキルをアピールできる資格も無い
- 勉強した情報は日々更新され続けている
- 受験料と勉強時間をゲームに当てる方がいい
1.ゲームクリエイターになるための資格がない
たとえば、医者になるためには医師国家資格が必要ですが、そもそも、ゲームクリエイターになるための資格がありません。
ゲームクリエイターと一概に言っても、ゲームプログラマー・ゲームプランナー・ゲームデザイナーといった方がいます。
ですが、細分化したとしても「プログラミング系の資格を持っているからゲームプログラマー」「デザイン系の資格をもっているからゲームデザイナー」ということはありません。
理由はとても単純です。

後述しますが、資格を持っていることで、できるクリエイターとして見られることもありません。
2.資格より制作スキルを求められる
「〇〇の資格を持ってます!」
「へえ、じゃあどんな物が作れるの?」
というように、知識を持っていることをアピールしても「結局何が作れるのか?」を就職では重要視されます。

それよりも、「作ったもの見せてよ」「制作の時にどんなことに苦労しましたか?」など、これまでに何を作り、どんな苦労を解決してきたかを聞かれることが圧倒的に多いです。
取得した資格について触れない理由も単純です。

ゲーム会社に在籍する以上、ゲームはプログラマー・プランナー・デザイナーなど、様々な知識を生かせる技術者がコミュニケーションを取りながら完成させるものです。
さらにゲーム制作は、スケジュールや仕様があふれて過酷になって、人間関係や体はボロボロになることが多いです。
そんな環境の中で、知識・技術があることは大前提として、「これまでにどのような環境で、どんな苦労を乗り越えてゲームを作ったか?」というのは、採用の大きな判断材料になります。
3.制作スキルをアピールできる資格が無い
「これぐらい作れますよ!」と制作スキルを証明できる資格もありません。
資格を取得して知識を持っているアピールはできますが、前述のとおり、知識だけでは何もクリエイトできないからです。
実技試験もある制作ツールなどの資格もありますが、持っていてステータスになることは少ないです。
本職なら扱えて当然、多職種のツールなら少し作業幅が広がるぐらいなので、資格を取るほどの価値は少ないです。

4.勉強した情報は日々更新され続けている
たとえば、プログラミング言語やデザインツールの検定を取ったとします。
過去の技術よりも、効率的な新しい技術がどんどん生まれつき続けているのですから、
検定で得られるその場限りの知識だけではなく、自分の知識と技術を更新し続けることが大切です。
5.受験料と勉強時間をゲームに当てる方がいい
とはいえ、ただ単に遊べばいいという訳ではなく、分析することに意味があります。
ゲームを分析する例
- どうやって実装してるんだろう
- このツール使えばこんな表現できるんだ
- システムとかUIがごちゃごちゃしすぎ!こうした方がいいのに
新作ゲームには新しい技術や表現が取り入れられています。
新しい発見や失敗を目にして、自身の制作や経験として活かせれば完璧ですね!
検定は全くと言っていいほど評価されませんし、時間もお金もかかります。
ゲーム作る技術がないプランナーでも、新作ゲームをいくつも遊んで分析を続ければ、改善提案できる力やアイデアの元が身につきます。
ゲームクリエイターになるために必要なのは制作物

プログラマーとプランナーならゲーム作品。デザイナーならポートフォリオですね。
勘違いしがちですが、プランナーの制作物として企画書を求める企業は今ほとんどありません。
あなたが考えた最高に面白い企画をアピールしても、会社はあなたが作りたいものを作れる場所ではありません。
意欲のアピールにはなるかもしれませんが、変に我を押し出すより相手の話を聞いてしっかり受け答えしたり、過去に制作した経験があってどういった立ち回りをしたかを話すほうが、プランナーに求められる協調性やコミュニケーション力について分かります。
制作物から分かることや聞きたいこと
- どんなものを作ってきたのか?(経験)
- どんなスキルがあるのか?(技術)
- どんな苦労がこれまでにあったか?(問題解決力)
- どんなコミュニケーションを取って作ったか?(コミュ力)
1つの制作物を通して、分かることや聞きたいことが山程あるので、業界内での注目度が違います。

資格を持っていようとなかろうと、制作ができてこそクリエイターを目指せます。
それでも資格を取りたい人へのおすすめ
「それでも資格を取りたいんだ!」という方に、おすすめの資格をまとめます。

ただし、職種として最低限レベルのものや、本職以外の作業も一応できることを示す程度のものになります。
プログラマーにおすすめの資格・検定
CGエンジニア検定
三角関数・ベクトル・行列といったゲーム制作に必要な知識を身につけられます。
プログラマー向きの資格として、C言語などプログラミング系検定もあったりしますが、システム開発寄りのものが多く、ゲームとの関連は低いです。
プランナーにおすすめの資格・検定
フォトショップクリエイター能力認定試験
イラストレータークリエイター能力認定試験
まず、プランナーの技量を示せる検定はありません。
ここで上げた2つは、デザインツールの活用能力を示すものですが、プランナーとして効率的な企画書や仕様書の作成ができるようになります。
ただし、これらのツールは有料のため、勉強できる環境が限られています。
デザイナーにおすすめの資格・検定
フォトショップクリエイター能力認定試験
イラストレータークリエイター能力認定試験
描けることとリソースが作れることは違うので、持っておいて損はない検定です。
が、本職なら使えて当然とされていることも多く、わざわざ取得するほどでもないかもしれません。
まとめ
資格が完全に無意味という訳ではありませんが、資格のために時間やお金を費やすぐらいなら、制作やゲーム分析に当てたほうが圧倒的に有益です。

ゲームを作るということは、ゲームプログラマー・ゲームプランナー・ゲームデザイナーといった人達が集まり、1つの制作物を完成させることです。
どれだけ個人で知識を持っていても、知識を活かす技術力とコミュニケーション力がなければ何も産まれません。
検定取得を1つの目標とするのもいいですが、目指すのはゲームクリエイターであるはずです。
ゲームを作れるようになる、という最終目的を見失わないようにしたいですね。